新聞製作技術展 JANPS 2018

体験談

2018年に新聞技術展JANPSに参加しました。

JANPSは新聞技術の最新技術展覧会です。
お台場の東京国際展示場で開催していました。

新聞印刷にどんな技術が必要で、どういう風に機能されているか

新聞印刷にも、新聞を検視(検品)するのが当然必要になりますが、数人の人間の眼だけで十数万部の新聞を見るのはほぼ不可能なので、機械をつかって検査しています。検査の仕組みは、登録した合格の新聞の写真を元に、印刷中の新聞の色の濃度を見たり、紙面の異常な汚れを見ています。合格した新聞のデータにはない黒点などが検出されれば、それは汚れと検知しその周辺を束で排出し、人間の目で特定します。
今回のJANPSでは、この検視に【AI】を取り入れていて、検品の精度をさらに上げ、なおかつ人間の負担を減らす事を目的にされています。各業者もAIという単語を沢山使っていて、AIに本気なのが伝わってきました。

新聞印刷の周辺設備の最新技術

新聞印刷には勿論梱包と輸送がセットで必要となります。
発送部の仕事として、どうしても人間が見張っていなければいけない現実があります。荷崩れや、機械で対応できない梱包端数部数などを人間が数えています。もちろん印刷側で異常な新聞を出してしまった時に、最終砦として対応しなければいけません。
そういった環境の中で、ここでも【AI】が活躍するそうです。梱包に関して正しい梱包状態を記録し常に監視します。梱包において荷崩れする原因は印刷されてきた新聞が変な運ばれ方をするのも原因なので、そういった新聞も事前に排出し、荷崩れの根本を防ぐ技術も期待できるそうです。

新聞印刷における原版の取り扱いの進化

新聞印刷の原版は、文字を一つ一つ組み込んで凹凸で印刷する時代から、平面刷版に親水性と親油性の技術を応用して印刷する時代に変わり、重量や大きさにおいて大変大きな進化を遂げています。原版については進化しているのですが、問題はその刷版が正しく装着されるかどうかの点です。
刷版は装着位置を間違えてしまうと大変多くの損紙を排出することになります。印刷した新聞は全部損紙となり、時間も資材も無駄になってしまいます。その間違いは、大体1年に1回くらい発生します。それを完全に防ぐために、刷版にバーコードを印字し、装着後に読み取ることでヒューマンエラーを防ぐ事が期待できるそうです。

今回JANPSに参加してみての感想

今回は、どんな感じの展覧会なのか様子を見る為に参加した感じでしたが、割と業者も力を入れている催しで、新しい発見もあったりしました。新聞業界も日々経費削減と品質向上に努めています。

今新聞業界は大変大きな変革を強いられている時期に来ていて、部数も大きく減っています。今後ネットの普及と世代の交代でどんどん部数に変化が出てくることでしょう。業界全体が縮小傾向にあると思います。最大の転換期は「折り畳める有機EL素材の値段が大幅に下がった時」でしょう。各家庭に有機ELが普及すれば、もう印刷された物理媒体を配達する意味がなくなるからです。

新聞が完全に無くなる事は今後50年はないと思いますが、最盛期は過ぎたと感じます。
今後の業界の生き残り方法に期待しています。

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