新海誠監督の感想

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新海誠監督の印象。

はじめに断っておきますと、私は完全に「にわか」です。初めて見た作品も、地上波での「君の名は。」です。その時の感想も、素晴らしいというよりも、現代風だなという印象でした。世間がそこまで大騒ぎする程の作品だとは思えませんでした。でも、映画館で見る価値はあった作品だったなとは感じました。逆張りかまさず映画館で見ればよかったです。

新海誠監督作品の歴史

・2002年「ほしのこえ」
・2004年「雲の向こう、約束の場所」
・2007年「秒速5センチメートル」
・2011年「星を追う子供」
・2013年「言の葉の庭」
・2016年「君の名は。」
・2019年「天気の子」
・2022年「すずめの戸締り」

「雲の向こう、約束の場所」から作品を視聴しました。ジャンルにSFというタグもあった様に、SF要素が濃い印象でした。ガンダムやエヴァに似た様な作品で、少し難しいとも感じました。この作品は、2011年の「星を追う子供」にも似ています。しかし、「星を追う子供」は完全にファンタジーで、限りなくジブリに近い作品となっています。恋愛要素も薄く、お話に重きを置いている印象でした。2007年の「秒速5センチメートル」に至っては、現代の恋愛模様を描いている感じで、初見では結末が意外過ぎて、まったく理解が追い付かず、ネットで確認しました。ああ、こういう人間の感情の変化や、恋愛模様を描きたかったんだなと納得するしかない感じです。漫画や小説でも、最後は読者や視聴者に任せているそうです。

ただしこの感想は、先に君の名は。や、天気の子を見た後の感想なので、新海誠監督が本当に描きたいファンタジーやSFのアニメは、本来こういうモノなのかもしれません。ただし、倍速視聴する様な現代の若者に対して、この様な思いのこもった作品は受け入れられないかもしれません。私個人は、一度見て、思い返してみれば、良く出来た内容でよかったと思えます。ただし、ジブリが対抗馬として存在する現在では、万人からその感想を得るのは難しいかもしれません。

新海誠監督作品の「大きな変化」

2013年「言の葉の庭」から、絵柄やお話の舞台、扱う内容が大きく変わってきました。SFやファンタジー要素を捨て、現代の小さい規模の人間関係で、恋愛模様を描いた作品になっています。理解もしやすいし、登場人物に感情移入もしやすいです。結末も理解できるし、良い終わり方だったと思います。君の名は。から知った若い方も、この作品は全然楽しめるものとなっていると思います。

ただし、SF要素が一切なく、2007年の「秒速5センチメートル」のベクトルで描かれています。新海誠監督は、多分これは不完全燃焼だったのではないでしょうか。どうしてもファンタジーを入れたいと思ったのではないでしょうか。そこから生まれたのが、君の名は。などの作品なんだと思います。それと、2004年「雲の向こう、約束の場所」からそうなのですが、必ず夜空の満天の星空が描写されています。好きなんでしょうね。実際にとても綺麗に描かれていて、個人的にも好きです。

新海誠監督の「覚醒」

ご存じの通り、君の名は。ですが、これは今までの作品の要素のステータス配分と表現方法を変えたのだと感じました。少年少女の恋愛要素を強化し、ファンタジー要素を想像しやすいモノにし、舞台を完全に現代にしました。ただし、これではただ現代受けするモノにしただけですが、ここに新たに追加したのが「性や闇の要素」だと感じました。

男女の体が入れ替わる。これは、現代の若者を、大きく強く動かした要素だと思います。悪く言えば「性」ですね。これにより、多くの人の興味を引いて、話題性が上がり、評価を得たのだと思います。勿論それだけでは無く、完全に現代版に特化した舞台や台詞や絵柄も、凄く刺さったのでしょう。盛り上がりや、ちょっとしたギャグや、少年少女の恋愛模様も、理解しやすい内容になっていましたね。それと、新海誠監督が2007年「秒速5センチメートル」から好んで使う、ラストの、大きくなった少年少女がすれ違って終わる描写も、こだわりを感じます。

私個人的に君の名は。は、凄まじく素晴らしい作品とは感じませんが、現代の若者対し、理解しやすく受け入れられる内容にする為の改善は、大成功したのではないかとは思いました。これも、君の名は。以前の作品を見たから思える感想です。

2019年「天気の子」

最近、「天気の子」を見ました。思っていたよりも良く出来ていて、映画館で見れば良かったと思いました。この作品には、拳銃が出て折り、ネットでも賛否両論となっています。個人的にも銃については、最初は批判的な見解でしたが、最後まで見ると、まぁ話の展開的にも有っても良かったかなと思いました。登場人物達の、銃刀法違反や公務執行妨害についての判決はどうかと思いましたが、深く考えない事にしました。今回の作品には銃や悪いバイトなや、児童保護など、現代社会の色々な闇が含まれていて、新海誠監督が新たに扱う事に挑戦した要素なのだと感じました。個人的にはそれなりにうまく取り込んで、スパイスとして、お話を展開させていたと思います。

主人公と天気の子の、行動や発言、人間関係も分かりやすく面白かったし、世界を巻き込んだファンタジーも、壮大で良かったです。後半の、主人公達の宿泊先や行動なども、色々楽しませてもらいました。こういう要素を取り込むのが上手なんだと思います。最後は少し考えさせられる内容でしたが、これが新海誠監督の作品なんだろうと思いました。この作品は、私に過去作や「すずめの戸締り」を見たいと思わせるに至るものでした。

2022年「すずめの戸締り」

この作品も、現代の模様を上手に描いたものでした。ファンタジー要素もしっかり取り入れられていました。ただし、少年少女の恋愛模様の要素はかなり少なかったです。どちらかというと、すずめが一生懸命頑張って戸締りする様を見て、終始応援したくなる様な作品です。

ネットでもある様に、実際の震災を題材に使っており、そこについては、色々考えさせられるものがありました。個人的には、前半よりも後半のすずめの旅の方が面白かったです。「すずめの戸締り」において、私が一番好きなキャラクターは”芹澤朋也”さんなのも、まぁ見てくれれば分かるんじゃないかと思います。それと、今回の作品には、「天気の子」の様な、現代の闇的な部分や、性的な部分は含まれていませんでした。それらを使わずに描いてみたのだと思いますが、個人的には、それら要素を使わなかった事による全体の評価に、そこまで影響はないです。

新海誠監督の次回作に期待

次回作では、どういう配分で作品を完成させてくるのか楽しみです。少年少女の恋愛要素やファンタジーは新海誠監督のこだわり要素んおで、必ず入れてくるでしょう。その濃さをどうするかが見所です。それと、「天気の子」で加えた現代の闇や性について、君の名は。、天気の子、すずめの戸締りを経て、どう手ごたえを感じたのかに寄ります。舞台は、また現代を全面的に出す設定になると思いますが、それらの要素をどういう配分で混ぜ合わせ、仕上げてくれるのかが見どころだと思います。現在の最終作品であるすずめの戸締りから個人的に思う事は、少年少女の恋愛要素をもう+4、現代の闇や性をもう+1くらいしても良いかなと感じました。ただ、少年少女が周りの大人を巻き込んでどたばたする場面は凄く良いです。(警察や社会に迷惑かけるのは少しどうかと思いますが・・)

今更ですが、私個人的には1番面白いと感じたのは「天気の子」かもしれません。その次は、2013年の「言の葉の庭」です。それでは、長文失礼しました。参考にしてみてください。

 

それでは。

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